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高齢者に多い便秘の原因や対策を知ろう!男性も便秘に要注意!

コラム

こんにちは、介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館です!

 

加齢に伴い、毎日のお通じが無くなってきた・便秘気味、という方は多いのではないでしょうか?

便秘は女性に多いイメージですが、高齢になると男性も便秘になりやすくなります。

男性の場合は50代頃から徐々に便秘の人が増え始め、75歳以上では男女の割合はほぼ変わらないとも言われています。

 

便秘の原因にはどんなものがあるのか?どんな対策をとればいいのか?

今回は気になるけど人には聞きにくい、便秘について見ていきましょう。

 

 

便秘の定義とは?便秘になると起こるトラブルについて

毎日排便がないと便秘だと思われている方が多いようですが、必ずしもそうとは言えません。

2~3日おきにでも排便があれば、腸が動いている証拠であり、その頻度での排便でも特に違和感や気持ち悪さが無い時は便秘と考えなくても良いと言われています。

 

便秘になることで起こる問題や症状には以下のようなものがあります。

  • ・腸内の悪玉菌が増加
  • ・腸に便が溜まることで骨盤が圧迫され血行が悪くなり、全身の血行不良を起こす
  • ・自律神経の不調
  • ・吹き出物が出来たり、肌荒れを起こしたりする
  • ・お腹にガスが溜まり、気持ち悪さを感じる
  • ・疲労感が増す
  • ・痔の原因になる
  • ・腹痛
  • ・胃の働きが低下し、食欲が落ちる

 

たかが便秘と考えられがちですが、慢性的な便秘は腸内の悪玉菌を増加させ、大腸ガンなど重篤な病気を引き起こす要因にもなります。

腸内細菌のバランスの乱れは生活習慣病を発症しやすくなるとも言われているので、便秘は一刻も早く改善したい症状なのです。

 

 

高齢者に多い便秘の種類と原因

高齢者の便秘は「弛緩(しかん)性便秘」と「直腸性便秘」の大きく2つに分けられます。

 

弛緩(しかん)性便秘

腸のぜん動運動が悪くなることで起こるのが弛緩性便秘です。

高齢者に多い便秘の原因と言われています。

弛緩性便秘では、便が腸内に留まってしまい、出口までたどり着かなくなります。

腸内に残った便は水分が失われ、さらに出にくくなってしまうという悪循環を引き起こすのです。

 

弛緩性便秘になる原因は以下のようなものがあります。

  • ・食事量、水分量の減少
  • ・腹筋の量が減少
  • ・腸内環境の悪化
  • ・咀嚼(そしゃく)能力の低下
  • ・運動不足
  • ・ストレス
  • ・服用している薬の影響
  • ・姿勢が悪い
  • ・トイレ習慣の減少
  • ・加齢による副交感神経(腸を動かす働き)の機能低下

 

直腸性便秘

腸の出口に硬くなった便が溜まってしまい、自分の力では出せなくなってしまう状態を直腸性便秘と呼びます。

寝たきりの人に多いのが特徴です。

 

直腸性便秘になる原因は主に次の2つです。

  • ・排便に適した姿勢(座位)が取れない
  • ・腹筋や肛門周りの筋力が低下している

 

自力で出せない便は、介護者や看護者に取り除いてもらう必要があります。

摘便(てきべん)といい、溜まっている便を指で取り除きます。

在宅でのケアの場合は、訪問看護で看護師に自宅に来て処置をしてもらったり、介護者がケアの技術を学んだりして行います。

 

摘便のみをするのではなく、自分で便を出せるようにマッサージなども同時に行って、排便を手助けします。

 

 

高齢者の便秘予防・対策で効果的なのは?

弛緩性便秘と直腸性便秘では予防・対策が異なります。

それぞれの対策についてご紹介します。

 

弛緩性便秘予防・対策

高齢になるとどうしても食事量や水分摂取量が減ってしまうため、便が出にくくなってしまいます。

そのため、積極的に食物繊維が豊富な食材を摂るようにしたり、水分をこまめに摂取したりすることが便秘の予防や対策として大切です。

 

また、日頃飲んでいる薬が消化系の運動に影響して便秘になってしまうこともあるので、気になる場合は医師に相談しましょう。

自己判断で市販の便秘薬を服薬すると、腸内の粘膜が炎症を起こし、さらに便秘を悪化させる恐れもあります。

 

お腹周りの筋肉量が減ることで押し出す力が弱まってしまうという要因もあるので、動ける場合は日々の生活に適度な運動を取り入れるなど、体を動かすように意識しましょう。

 

直腸性便秘予防・対策

自分で体を動かすことが難しい場合は、お腹の「の」の字マッサージをします。

おへそを始点にして、「の」を描くように指で優しく圧迫し、腸に刺激を与えます。

 

60度ほどのホットタオルで10分間を目安にお腹周りや腰を温めると、血行が改善されて腸の動きが良くなりますのでこちらもおすすめです。

火傷やタオルの冷え過ぎに注意しましょう。

 

周りの人のサポートも重要な対策の一つ

介護を受けている場合、便意をもよおしても我慢してしまうことが多々あります。

介護を受けていなくても、体が不自由であるなど、トイレに行くのが億劫になってしまうこともあるでしょう。

 

周囲の人のサポートできる便秘対策は、以下のようにたくさんあります。

  • ・水分をこまめに取るように勧める
  • ・食物繊維が豊富な食事を提供する
  • ・マッサージやケア方法を学ぶ
  • ・便意が無くてもトイレに行くように声かけをする

 

介護される方にとっては、ポータブルトイレやオムツなどは精神的にも負担になることからデリケートな問題として捉えておく必要があります。

 

また、どうしても介護者に面倒をかけると感じてしまう方も少なくありません。

周囲も協力して、排便をしやすい雰囲気作りをすることも大切でしょう。

 

 

高齢者の便秘は対策できる!原因を知って解消を目指そう

加齢に伴い、便秘になる人は増えます。

食事や水分摂取量の減少、運動不足など日常生活での習慣が主な原因ですが、投薬による副作用や加齢に伴う機能低下など避けられない原因もあります。

 

弛緩性便秘の場合は、食事や運動によって改善しやすくなります。

便秘を予防するためにも、野菜など食物繊維の多い食事や適度な運動を心がけましょう。

 

直腸性便秘は介護者や看護者のケアが必要になりますが、メンタル面も考慮しながらできるだけ自分で排便できるように手助けしていきましょう。

 

京都の介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館でも看護師、介護士が協力し普段の排泄状況や体調をチェックしております。

その中で不足しがちな食物繊維をいかにして食事の中で提供できるか、管理栄養士、調理師が様々な工夫をしています。

 

そういった取り組みの中で、実際に便秘が改善されてきた方もおられます。

ご見学も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

また、高齢者の暮らしに役立つお役立ち情報も随時発信中です!

高齢者の食事や運動のこと、老人ホームのことなど、困った時は参考にしてみてくださいね。

 

この記事を監修した人

星野 英俊

星野 英俊 (ライフピア八瀬大原Ⅰ番館 事務長)
京都大原記念病院グループに介護職として新卒入職。京都大原記念病院 現場介護スタッフ、介護老人保健施設で施設相談員(ケアマネジャー)などとして約15年間、現場業務に従事。
事務職 転身後、ライフピア八瀬大原Ⅰ番館の事務長に就任し、
現在に至る。
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