高齢者の睡眠トラブルを解決しよう!快適な睡眠をとるための対処法
こんにちは、介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館です。
高齢者には早寝早起きの人が多いのですが、これは実は加齢によって睡眠の質や形が変化することで起こります。
早寝早起きで健康的な生活になるのであれば問題ないですが、眠りが浅くなったり不眠がちになってしまったりと睡眠障害が表れてしまう方もいます。
今回は高齢者の睡眠についてのお話。
高齢者の睡眠の特徴や睡眠障害について、睡眠トラブルを解決して質の良い十分な睡眠をとるための対処法などをご紹介します。
高齢者の睡眠の特徴や睡眠障害について知ろう
年齢を重ねるとさまざまなことが若い頃とは変わってきますよね。
毎日の睡眠の形や質もそのなかのひとつです。
高齢者の睡眠の特徴や高齢者に多い睡眠障害について解説します。
高齢者の睡眠の特徴①早寝早起き
加齢に伴い体内時計のリズムに変化が起こります。
そうすると血圧や体温、ホルモンの分泌など睡眠に関わる生体機能のリズムが前倒しになり、若い頃と比べて早寝早起きになるのです。
早寝早起き自体は悪いことではありません。
ただ、早く目が覚めてもやることがないからといって布団の中でうつらうつらしている時間が長いと、きちんと覚醒できずにその日の夜にはしっかり眠れなくなってしまうかもしれません。
また、短期間でそれまで習慣化していた起床時間より30分以上早く目覚めるようになってしまうことを「早朝覚醒」と言い、睡眠不足の原因にもなるだけでなく、ストレスやうつ病などが隠れていることもあります。
高齢者の睡眠の特徴②眠りが浅くなり夜中に何度も目が覚めてしまう
人間は睡眠中、浅い睡眠のレム睡眠と深い睡眠のノンレム睡眠が交互に起こっていますが、高齢者はノンレム睡眠の時間が短くなっていきます。
浅い睡眠のレム睡眠である時間が長いので、スムーズに寝付けない、ちょっとした物音や尿意で頻繁に目覚めてしまうということが起こります。
夜間に何度も目を覚ましてしまうとノンレム睡眠が妨げられ、熟睡できなくなってしまいます。
このように眠りが浅く夜中に何度も目が覚めてしまうことを「中途覚醒」と言い、不眠症状のひとつになっています。
高齢者の睡眠障害とは?
睡眠不足や日中の強い眠気などは、生活や日常生活に支障をきたしてしまう可能性があります。
集中力や注意力が低下すると転倒・骨折などを引き起こすリスクがあるので、高齢者の場合は特に注意が必要です。
その他にも、高齢者は不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害が起こりやすい傾向にあります。
高齢者に起こりやすい睡眠障害は下記の通りです。
- ・睡眠時無呼吸症候群
- ・レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)
- ・周期性四肢運動障害
- ・レム睡眠行動障害
これらの睡眠障害の場合は、医療機関や専門施設での検査と診断、適切な治療を受けましょう。
原因を知って高齢者の睡眠トラブルを予防&改善!
高齢者の睡眠トラブルの原因を知って、しっかりぐっすり眠ることができるように対策を立てましょう!
高齢者の睡眠トラブルには下記のような原因があります。
睡眠ホルモン「メラトニン」が減少して眠りが浅くなる
人は「メラトニン」というホルモンの作用で眠気をもよおします。
このメラトニンの分泌は年を重ねるごとに減少してしまうことがわかっており、高齢者はメラトニンの減少によりなかなか寝付けなかったり眠りが浅くなったりしてしまいます。
【予防&改善方法】
メラトニンは起床から14~16時間後に脳からの指令により再度分泌を始めます。
メラトニンの分泌を促すには、朝に朝日を浴びてしっかりと目を覚ますこと、寝る2~3時間前頃からは部屋を明るくしすぎないことに気を付けましょう。
また、日中の適度な運動もメラトニンの分泌を促します。
心地よい疲れはしっかりとした深い睡眠にもつながりますよ。
夜間頻尿と浅い眠りにより、夜中に何度も目が覚めてしまう
高齢者は膀胱などの内臓の働きの低下や、排尿に関わるホルモンの減少などから頻尿になります。
さらに眠りが浅くなっているため、就寝中のちょっとした尿意で何度も目が覚めてしまうのです。
就寝中に繰り返し目が覚めてしまうと、深い睡眠であるノンレム睡眠が妨げられてしまいます。
睡眠時間は確保したつもりでも熟睡できている時間が少ないと、睡眠不足や昼間の眠気が覚めなくなってしまいます。
【予防&改善方法】
夜間頻尿を防止するには、就寝の1時間前頃から水分摂取を控えてみましょう。
気にしすぎて長時間水分を控えるのは脱水の恐れもあるため注意してください。
水分を控えても夜間頻尿による中途覚醒が改善しない場合は医師へ相談してみましょう。
病気の辛さや体の痛みなどによる不眠
歳をとると持病があったり、慢性的な腰痛、ひざ痛などの関節痛があったりしますよね。
これらの痛みや不快な症状は、本人が思っている以上に快眠を妨げてしまうこともあります。
【予防&改善方法】
不眠につながる病気はまずはしっかり治療をしましょう。
関節痛や筋肉痛などの慢性的な痛みについて、その周りの筋肉を鍛えることで解消することがあります。
ウォーキングやストレッチなど身体に合った運動から始めてみましょう。
また、現在服用している薬に睡眠を妨げる成分が含まれている場合があります。
睡眠に不安のある方は、薬の副作用などについて医師へ相談してみましょう。
高齢者が快適な睡眠をとるための対処法
睡眠障害によって日中の活動や健康に支障が出ている場合はもちろん、「朝起きた時にすっきりしない」「夜寝付くのに時間がかかる」といったちょっとしたことも立派な睡眠障害のひとつ。
高齢者が生き生きとした生活を送るためには、快適で良質な睡眠をとることが欠かせません。
睡眠の質を改善させるためには生活の中で下記のような点を気にかけてみましょう。
- ・朝日を浴びてしっかり覚醒する
- ・日中に太陽の光を浴びて活動する
- ・規則正しい生活リズムで生活する
- ・睡眠前、睡眠中の環境(室温、明るさなど)を整える
- ・眠くなってから床に入る
- ・アルコール・カフェイン類・ニコチンの摂取を避ける
このようなことを心がけながら生活しているのにも関わらず「極端に短い睡眠時間で目が覚めてしまう」「眠りが浅く睡眠中に何度も目が覚めてしまう」「昼間に強い眠気がある」などの状態が続く場合は、医師に相談してみることもおすすめします。
睡眠障害がひどい場合は、医師の指示の元での睡眠薬の服用も効果的です。
最近の睡眠薬は安全性も高く、医師の指示を守って服用していれば心配はありませんよ。
睡眠の質を改善してQOL(クオリティオブライフ)の向上を目指しましょう。
睡眠環境を整え、快適な睡眠を手に入れましょう
高齢者は「早寝早起きになる」「眠りが浅くなって睡眠中に何度も目が覚める」など、若い頃とは睡眠の質が変わってきます。
睡眠不足や日中の強い眠気などは生活や日常生活に支障をきたしてしまう可能性もあり、睡眠障害はQOL(クオリティオブライフ)向上の観点からもぜひ改善したいものです。
高齢者の睡眠障害の原因は、「メラトニン」という睡眠に関わるホルモンの分泌が減ったり、眠りが浅くなっているところに頻尿や持病や腰痛、ひざ痛といった慢性症状が現れて中途覚醒が起こってしまうからです。
メラトニンの分泌を促すには太陽の光を浴びてしっかり覚醒すること、夜間に明るい光にさらされないことなどを注意しましょう。
日中は太陽の光を浴びて活動し、生活リズムを整え、夜間は温度や明るさなどの睡眠環境を整えて快適な睡眠を手に入れましょう。
京都の介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館は、 高齢者の暮らしに役立つお役立ち情報を随時発信しております。
豊かな暮らしを目指して、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事を監修した人
- 星野 英俊 (ライフピア八瀬大原Ⅰ番館 事務長)
- 京都大原記念病院グループに介護職として新卒入職。京都大原記念病院 現場介護スタッフ、介護老人保健施設で施設相談員(ケアマネジャー)などとして約15年間、現場業務に従事。
事務職 転身後、ライフピア八瀬大原Ⅰ番館の事務長に就任し、
現在に至る。