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高齢者の肺炎の特徴は?危険な理由や肺炎の原因、症状や予防法も

コラム

こんにちは、介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館です。

 

肺炎は日本人の死因の第5位とされる、身近でありながら軽視できない病気であることをご存知でしょうか。

特に高齢者の肺炎は気づきにくいうえに重症化しやすいので注意が必要です。

 

今回は知っておきたい高齢者の肺炎についてのお話。

高齢者が肺炎に注意するべき理由や肺炎の原因、症状の見分け方や高齢者が肺炎にならないための予防法などをご紹介します。

咳をするご老人

 

 

高齢者の肺炎の特徴は?高齢者肺炎が危険な理由

肺炎とは、細菌やウイルスに感染することで発症する病気です。

 

令和2年の厚生労働省人口動態統計によると、肺炎は日本人の死因の第5位に入ります。

しかも、肺炎で死亡した人の90%以上は高齢者といわれています。

 

体力のある若者であれば、治療により回復できる身近な病気である半面、高齢者にとって肺炎は死につながる恐れのある病気なのです。

高齢者は内臓機能や免疫力が低下しているために、肺炎にかかりやすくなっています。

 

さらに高齢者の肺炎は、発見が遅れて気づいたときには重症化しがちです。

熱や咳といった典型的な症状が出づらかったり、持病の影響で常時似た症状が出るために気づきにくく、さらに肺炎の症状の進行が早いのです。

 

特に腎不全や肝機能障害、糖尿病を患っていたり心臓や呼吸器に持病があると、肺炎にかかりやすく症状も重くなってしまう傾向にあります。

 

高齢者の肺炎の原因は?

肺炎にかかりやすいのは、体力や免疫力が低下している時です。

特に高齢者は風邪やインフルエンザなどで免疫や体力が下がっている時に合併症として併発する場合や、誤嚥(ごえん=唾液や食べ物が気管に入ること)によって肺炎にかかることが多いのです。

 

高齢者が肺炎にかかる原因を詳しく見ていきましょう。

 

風邪の悪化による肺炎

高齢者の風邪が悪化してしまうと体力や免疫力が一時的に衰え、肺に細菌やウイルスが感染して肺炎などの合併症にかかりやすくなります。

 

高齢者の場合は、ただの風邪でも油断せずに回復を目指して治療することが大切です。

 

高齢者の風邪は注意が必要!合併症の危険性や予防について解説」では、高齢者の風邪の注意点や予防法などについて解説しています。

ぜひ合わせてご覧ください。

 

誤嚥(ごえん)による肺炎

通常の感染症と同じような感染経路の他に、高齢者の肺炎の原因の中の1つとして「誤嚥(ごえん)性肺炎」があります。

 

高齢者は食べ物を飲み込む力が衰えて上手に飲み込むことができなくなり、ごくんと飲み込んだ時に食べ物の一部や唾、痰などが食道ではなく気管に入ってしまうことがあります。

その際に病原菌も一緒に入り込むことで肺炎を発症してしまうのです。

 

人は気管へ異物が入ってくると反射的に咳をしてそれを取り除こうとするのが、加齢により脳の働きやのどの機能が低下するとこの力も弱まってしまいます。

 

先ほど日本人の死因の第5位は肺炎とお伝えしましたが、次の第6位は誤嚥性肺炎です。

 

症状や治療法は通常の肺炎と同じですが、誤嚥性肺炎は「誤嚥しやすい」という状態を解決しないと何度も繰り返してしまう可能性があります。

脳出血や脳梗塞などにより脳の働きが低下している方にも起こりやすいので注意しましょう。

 

 

高齢者の肺炎の症状は?初期症状や悪化した場合の症状も

体調不良の男性

高齢者の肺炎は高熱や咳などの症状が出にくいため、ただの風邪や体調不良と見分けにくいです。

下記のような症状が続く場合は肺炎を疑ってみましょう。

 

  • ・いつもより元気がない
  • ・いつもより口数が少ない
  • ・食欲がない
  • ・全身がだるい
  • ・微熱や少量の痰がある
  • ・食事の後に急に苦しくなる(誤えん性肺炎)

 

さらに、肺炎によって入院すると足腰の筋肉が衰えたり、肺炎によって糖尿病が悪化したり、心臓の病気や脳卒中などの重大な病気につながることも。

 

高齢者は脱水症状や栄養不足になりやすいため、肺炎の症状は若い人よりも進行が早い傾向にあります。

家族や介護者などいつも一緒にいる方が「いつもと何か違う」という様子に気づいてあげて、すぐに対策をすることが大切です。

 

 

高齢者の肺炎の予防策

肺炎の対策には、こまめなうがい手洗いやマスクの着用が欠かせません。

肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種を受けることも、肺炎の予防に効果的です。

 

免疫力を上げるためには、規則正しい生活を心がけることや適度な運動、食事の栄養管理も大切です。

 

誤嚥性肺炎では外部からの病原体だけでなく、寝たきり状態による口腔内の嫌気性菌に感染してしまうことも珍しくありません。

誤嚥性肺炎の予防のためにも、こまめなうがいや丁寧な歯磨きで口の中を清潔に保ち、歯科衛生士などから定期的な口腔ケアを受けるようにしましょう。

 

誤嚥を減らすために嚥下訓練(えんげくんれん=食べ物をしっかり飲み込むためのトレーニング)を行うのもおすすめです。

 

 

高齢者の肺炎の特徴をおさえて予防しよう

日本人の死因第5位の肺炎。

高齢者の肺炎は、高熱や咳といった典型的な症状があまり出ないわりに進行が早いのが特徴です。

 

また、肺炎の症状に似た反応が常に出ているために、見逃してしまうこともあります。

そのため肺炎に気づきにくく、気づいたときには重症化している恐れがあります。

 

明らかな熱や咳がなくても、いつもより元気がない、食欲がないなど「いつもと何か違う」様子が続くようであれば肺炎を疑ってみましょう。

 

肺炎の原因は、体力や免疫力が低下して細菌やウイルスに感染するケースや、誤嚥によるケースが多いです。

食べ物を飲み込む力が衰えている高齢者は「誤嚥性肺炎」を起こしやすいので注意が必要です。

 

うがい手洗い、ワクチン接種などで肺炎への感染を予防するのと同時に、規則正しい生活や適度な運動で体力や免疫力を上げて肺炎を予防しましょう。

肺炎にかかりにくい健康な体づくりが大切です。

 

ライフピア八瀬大原Ⅰ番館のコラムでは、高齢者の安心な暮らしや住まいに役立つお役立ち情報を随時発信しております。

お悩みや疑問があれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

この記事を監修した人

佐藤 晋策

佐藤 晋策 (ライフピア八瀬大原Ⅰ番館 現場責任者)
京都大原記念病院グループに介護職として入職。デイサービスで現場介護スタッフ、相談員などとして約7年間、現場業務に従事。
事務職 転身後、ライフピア八瀬大原Ⅰ番館の現場責任者に就任し、現在に至る。
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