高齢者のおやつ・間食の目的や役割とは?選ぶポイントや注意点も
こんにちは、介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館です。
子どもから高齢者までみんな大好きな「おやつ」。
今回は、高齢者のおやつや間食についてのお話です。
おやつの目的や役割は、お菓子を食べて小腹を満たすというだけではありません!
高齢者にとってのおやつの目的や役割、おやつを選ぶポイントや注意点を確認しましょう。
高齢者におすすめのおやつや、おやつ・間食を楽しむ際のコツついてもご紹介します。
高齢者のおやつ・間食の目的や役割とは?
朝昼晩の食事以外に、午後の間食としておやつの時間を楽しまれている方も多いはず。
高齢者にとってもおやつや間食は、小腹を満たすためだけのものではないことをご存知でしょうか。
高齢者のおやつや間食には、次の3つの目的や役割があります。
【1】栄養を補う
高齢者は加齢により歯や胃腸の機能、食欲が衰え、十分な食事をとれない場合があります。
そんな時に、朝昼晩の食事以外で足りない栄養素をおやつ(間食)で補います。
食欲のない時でも、好きなおやつでしたら意外と食べられるものです。
高齢者に不足しがちな栄養素については「高齢者の半数以上が低栄養のおそれ!?栄養不足の原因や対策を知ろう」で解説していますので、ぜひご覧ください。
【2】水分を補う
食事量が減ると、食事に含まれる水分の摂取量も減ってしまいます。
かといって、水分補給のためだけに味のない水をがぶがぶ飲むのも大変なもの。
このような場合におすすめなのが、おやつ(間食)から水分を補うという方法です。
味のついたゼリー状のおやつやプリン、果物などなら美味しく水分を摂取することができます。
また、羊羹(ようかん)やチョコレートなどを食べると、喉も乾くので積極的に水分を取りやすいです。
高齢者の水分補給が重要な理由については、「高齢者にこそ水分補給が重要な理由は?周囲のサポートで脱水症状を防ごう」で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
【3】楽しい時間を過ごす
家族や友人とおしゃべりをしながらおやつを食べて楽しい時間を過ごすというのもおやつの目的の1つ。
生活の中に楽しみを持つと、毎日の生活にハリが出て体や脳の活性化にもつながります。
高齢者のおやつを選ぶポイントは?注意点も確認
高齢者のおやつを選ぶ際のポイントをご紹介します。
注意点もあわせて確認してくださいね。
必要な栄養素を補えるおやつを選ぼう
健康な体を維持するために必要な栄養素として、「たんぱく質」「エネルギー(糖質・脂質)」「ビタミン」「ミネラル」があります。
特に高齢者は低栄養を防ぐためにも、たんぱく質とエネルギーをしっかりと摂ることが大切。
栄養バランスの良い食事を心がけ、1日に必要な栄養をしっかり摂りましょう。
おやつで栄養素の不足を補うなら、下記の栄養素が含まれたものがおすすめです。
・たんぱく質:乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)、卵、豆類など
・ビタミン・ミネラル:果物、緑黄色野菜など
また、高齢者向けの食べやすい栄養補助食品もありますよ。
高齢者におすすめのおやつについては、次の章でご説明しますね。
栄養の摂り過ぎにも注意!
栄養補給という意味でカロリーが豊富なおやつが必要な方もいますが、高齢者の健康状態によっては糖尿病などの持病の関係からカロリー制限をしている方もいます。
カロリーや砂糖、塩分などを摂り過ぎてしまうようなおやつはなるべく避けましょう。
おやつ(間食)は1日1回、100~200カロリー程度に抑えるのが無難です。
1日に摂取するエネルギーが、消費するエネルギーを超えないように気をつけてくださいね。
噛む力や嚥下機能に合ったおやつ(食品)を選ぶ
個人の歯や顎の状態、嚥下(えんげ)機能に合った状態のおやつ(食品)を選ぶことも大切なポイント。
嚥下機能に合っていない場合、喉に詰まらせたり、むせたりしてしまう可能性があるので注意しましょう。
おやつの時間帯や量も大切
おやつはあくまで「補食」です。
食事の前にたくさんのおやつを食べてしまうと、満腹感で食事が十分に食べられなくなってしまうこともあります。
そうなってしまっては栄養素が偏ることにもつながるので本末転倒です。
昼食や夕食に影響のない時間帯(14時~15時頃)や、適切な量を選んでおやつを食べるようにしましょう。
1日の食事のバランスが気になる方は、厚生労働省・農林水産省が決定した「食事バランスガイド」もぜひご参考ください。
高齢者に最適なおやつ(間食)は?おすすめをご紹介
高齢者向けのおやつ(間食)として最適なものは何でしょうか?
おすすめのおやつをご紹介します。
ゼリー
とろみがあるゼリーは嚥下(えんげ)障害のある高齢者でも食べやすいおやつの代表格!
「つるん」とした食感をしているため、喉越しよく食べられます。
食欲の落ちがちな夏のおやつとしても人気です。
近年はカロリーやビタミン、ミネラルなどが含まれているゼリーも多く、栄養補給のためのおやつとしても適しています。
プリン
卵・牛乳・砂糖といった少ない材料で、簡単に作れるプリンも高齢者におすすめ。
たんぱく質だけでなく、ビタミン・ミネラルなどの栄養素も含んでいます。
果物
水分が多く含まれているので、水分補給のためのおやつとして最適です。
イチゴやオレンジ、キウイなどを選べばビタミンも豊富。
果物は料理することなく、簡単・手軽に食べられるのも魅力ですね。
蒸しパン
柔らかく、冷めてもおいしい蒸しパンも高齢者のおやつに向いています。
ベーシックな味の蒸しパンだと、薄力粉・ベーキングパウダー・砂糖・卵・牛乳・サラダ油といった材料で簡単に作れます。
野菜や果物を入れて作ることでビタミンやミネラルを摂取できるため、栄養価の調整も自由にできるところもポイント。
パサパサしていると喉に詰まりやすい場合もあるので、食べる時には飲み物と一緒に食べるようにしたりするのがおすすめです。
高齢者がおやつ(間食)タイムを楽しむコツとは?
栄養補給や水分補給の側面もある高齢者のおやつですが、やっぱり楽しんで食べることが一番大切!
クリスマスにはクリスマスケーキ、子どもの日やひな祭りには和菓子のおやつなど、季節や行事、お祝いの日に合わせたおやつを食べることで、季節の移り変わりを実感することもできます。
また、おやつに旬の食材を取り入れたり、食べるのが楽しくなるように見た目にこだわったりすることも良いでしょう。
レクリエーションの一環として、皆でホットプレートなどを使っておやつを手作りして食べるのも楽しいですよ!
美味しいおやつは皆を笑顔にします。
皆でおしゃべりをしながら楽しい雰囲気で美味しいおやつを食べることが、心と体の健康にもつながりますよ。
高齢者もおやつ・間食で楽しく栄養補給・水分補給を!
高齢者にとっておやつ(間食)とは栄養補給、水分補給、生活の中の楽しみという目的や役割があります。
嚥下機能や食欲が落ちて食事が十分にとれない高齢者の場合、おやつは足りない栄養素や水分を補う大切な補食となります。
高齢者のおやつを選ぶ際は、必要な栄養素を補えるおやつを選んだり、噛む力や嚥下機能に合ったおやつを選んだりすることも重要なポイントです。
栄養の摂り過ぎにも注意し、おやつの時間帯や量にも気をつけましょう。
高齢者に必要な栄養素や水分を補うという観点では、ゼリーやプリン、果物、蒸しパンといったおやつもおすすめです。
栄養補給や水分補給という目的・役割があるとはいえ、やはりおやつは楽しく食べることが大切。
家族や友人と一緒におやつを囲んだり、季節や行事に合わせたおやつにしたりして、楽しいおやつタイムを過ごしましょう!
ライフピア八瀬大原Ⅰ番館のコラムでは、高齢者の安心な暮らしや住まいに役立つお役立ち情報を随時発信しております。
お悩みや疑問があれば、ぜひ参考にしてみてくださいね!
この記事を監修した人
- 佐藤 晋策 (ライフピア八瀬大原Ⅰ番館 現場責任者)
- 京都大原記念病院グループに介護職として入職。デイサービスで現場介護スタッフ、相談員などとして約7年間、現場業務に従事。
事務職 転身後、ライフピア八瀬大原Ⅰ番館の現場責任者に就任し、現在に至る。