老人ホームへの入居を嫌がる場合は?認知症の方への説得方法もご紹介
こんにちは!介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館です。
老人ホームへの入居をご家族が提案した時、ご本人が難色を示すことは実は珍しくありません。
今回は「老人ホームへの入居をご本人が嫌がったらどうする?」というテーマについて考えてみましょう。
老人ホームへの入居を嫌がる理由はなんだろう?
老人ホームの入居を嫌がる理由には、次のような例があります。
「老人ホーム」という響きが悪印象
体の動きには障害が残るものの、思考能力には大きな衰えがない場合、赤の他人に介護されることに対するプライドから入居を嫌がる場合があるということも知っておきましょう。
他にも「老人」という響きから姥捨て山のように「ご家族から見捨てられてしまう」「見放された」というネガティブなイメージ、寂しさや不安がある人もいらっしゃるようです。
長年過ごしたこれまでの生活を捨てたくない
ご家族の介護は必要であり、時に負担がかかっているのは理解していても、やはり住み慣れた自宅で生活したいのは当然の感情ともいえます。
生活が変わることへの不安
新しい生活を始めることで、人間関係を一から構築したり、新しい環境でうまくやって行くことに抵抗がある人も多くいらっしゃいます。
高齢者が入居を嫌がる理由を理解しないまま入居準備を進めても、ご本人にとっても施設のスタッフにとっても大変な状況が待っています。
もちろん嫌がる理由をきちんと聞いても、すべて取り除くことはできないかもしれません。
しかし、できるだけご本人に納得してもらったうえで入居することが大切です。
老人ホームを嫌がる理由がわかった後の対処法は?不安や悪印象の取り除き方
若い人であれば新しい刺激にも比較的耐えられるのですが、さまざまな経験を経た高齢者の方の中には、環境が変わることへのストレスは相当なものになります。
では、老人ホームへ入居する不安や悪印象をどう取り除けばよいのでしょうか。
【1】老人ホームへ入居するメリットや魅力を伝える
老人ホームの入居を検討する前に、老人ホームへ入居するメリットを押さえ、ご家族の皆様からご本人に老人ホームの魅力をお伝えしてみてはいかがでしょうか?
老人ホームは施設ごとに介護サービスに違いがあり、介護状況に合わせて選べるところがポイントです。
「特別養護老人ホーム」は、生活が困難になった要介護の高齢者の方が入居できる施設で、必要な時に適切な介護サービスを受けることができます。
民間施設である有料老人ホームは「住宅型」「健康型」「介護付」の3つのタイプにわかれ、食事や生活援助サービスなどを提供する施設となっています。
老人ホームでは趣味の時間やご入居者同士の交流が増え、自身の生活にもハリが出て若々しい日々を送ることができる、という魅力的なメリットがあります。
例えば「介護付き有料老人ホーム」では、ご入居者同士の交流やレクレーション・イベントなど、様々な関わりを通してメリハリのある有意義な生活を送ることができます。
また24時間体制の介護付き有料老人ホームに入居すると、何か起こったとしても複数のスタッフが迅速に対処してくれますので、さらに安心です。
このように、老人ホームへ入居するメリットは様々あります。
・自宅で過ごすよりも寂しい思いをせず、充実した生活を過ごすことができる
・必要なときに適切な介護サービスや介護ケアの提供がある
など、「健康で長生きをしてもらうための入居」だというご家族の気持ちを伝え、説得することが大切です。
従来のような、重々しい、暗いイメージのない施設も増えていますので、ぜひご家族が施設の特徴を理解して入居先をピックアップしましょう。
老人ホームに入居するメリットについては「老人ホームに入居するメリットは?ご家族が得られるメリットも紹介」でも詳しく説明しております。あわせてご参考ください。
【2】必ず入居前に見学をし、施設の実情をご入居者、ご家族の双方で把握する
施設の資料やホームページの情報と入居資金などの条件だけで入居を決定することはおすすめできません。
入居後に「自由がなくて息苦しい」「思っていたよりレクレーションがない(またはありすぎる)」「すでに入居している人の雰囲気が想像と違う」など、トラブルのもとになりかねないからです。
必ず一度は契約前に施設に出向き、ご本人と一緒にレクレーションや食事の雰囲気などもチェックすることが重要なポイントとなります。
ご家族が「条件が合う施設だから」と入居を決めることのないように気を付けましょう。
(事前見学のメリットは「老人ホームは見学してから申込もう!チェックするポイントもご紹介」もご覧ください)
【3】ご入居者の寂しさや不安を軽減できるようにする
ご家族の介護負担を軽減するために老人ホームへ入居することは珍しくありません。
しかし、やはりご家族がいるのに自分だけ別な環境で暮らさなければならないことに寂しさや不安を隠しきれないご入居者も多いのです。
できる限りご家族が施設へ訪問し、最近自宅であったことの報告を双方に行うことを約束し、寂しさや不安を軽減できるようにしておきましょう。
面会に行く頻度について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご参考ください。
老人ホームへ家族が面会に行く頻度は?メリットや注意点もご紹介
認知症を患っている場合の説得方法は?
多くのご入居者は、事前の施設見学や入居後のフォローで最終的には納得し、老人ホームへの入居を決める場合が多いです。
しかし認知症を患っている場合は、具体的な理由がわからないままご本人に拒絶されることもあります。
その時はご家族の判断・説得だけでなく、入居希望の老人ホーム施設担当者や、普段かかりつけである医療機関の協力を仰いでみてはどうでしょうか。
ご家族だけの説得で理解してもらえない場合でも、医師の意見は聞く方がいるのは事実です。
特に医療機関と提携している介護施設の場合は「検査入院だから」「長生きしてほしいから」と説得したうえで、医療機関にかかりましょう。
その後「そのまま自立生活するのは困難だから」と老人ホームへ短期入所から始めると意外とすんなり入居できたという方もいらっしゃいます。
捉え方によっては「(ご入居者を)だましているような気がしてつらい」という意見も耳にしますが、もしかしたら意固地になっているだけで、何らかのきっかけが欲しいだけなのかもしれません。
老人ホームに入居する際にはご家族の見解だけにとらわれず、ご入居者の不安を少しでも取り除くための配慮が必要です。
もしご家族だけでは説得が難しいと判断されたなら、早めにケアマネージャーなどにご相談することをお勧めします。
老人ホームの入居を嫌がる理由を知り、不安を少しでも取り除きましょう
老人ホームへの入居を嫌がっている場合、まずは「なぜ嫌がっているか」理由をしっかり理解しましょう。
そのうえで、老人ホーム入居するメリットを伝え、入居希望の施設を見学したり、入居後も面会を続けるなど、ご本人とご家族の双方で不安を取り除くことが大切です。
ご家族が「条件が合うから」と入居を決めることのないように気を付けましょう。
認知症などでご家族の努力だけでは老人ホーム入居への説得が難しい場合は、医療機関やケアマネージャーなどの協力を仰ぐのも一つの方法です。
京都の介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館は、ご見学も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事を監修した人
- 星野 英俊 (ライフピア八瀬大原Ⅰ番館 事務長)
- 京都大原記念病院グループに介護職として新卒入職。京都大原記念病院 現場介護スタッフ、介護老人保健施設で施設相談員(ケアマネジャー)などとして約15年間、現場業務に従事。
事務職 転身後、ライフピア八瀬大原Ⅰ番館の事務長に就任し、
現在に至る。