特養と老健の違いは?それぞれの施設の特徴や入居条件を解説!
こんにちは、介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館です!
みなさんが老人ホームについて調べていくと「特養(特別養護老人ホーム)」や「老健(介護老人保健施設)」という分類の介護施設があることに気づくはずです。
それぞれの名前は聞いたことがあっても、その細かい内容については説明できず、どの介護施設に入居するべきか迷った人もいるのではないでしょうか。
今回は、「『特養(特別養護老人ホーム)』と『老健(介護老人保健施設)』の違い」をテーマに取り上げます。
特養と老健の違いはあるの?それぞれの特徴を比較!
「特養(特別養護老人ホーム)」と「老健(介護老人保健施設)」にはどのような違いがあるのでしょうか。
特養と老健は、地方公共団体や社会福祉法人などが運営する介護施設でどちらも「公的施設」に分類されます。
特養と老健の大きな違いは「施設の運営やサービス内容」「入居期間」にあります。
他にも居室の種類や費用面などについても確認しておきましょう。
施設の運営・サービス内容
特養と老健の施設運営の特徴やサービス内容をご説明します。
特養(特別養護老人ホーム)
特養は、要介護高齢者のための生活施設です。
介護保険法に基づいて介護保険が適用される介護サービスを提供する施設なので「介護老人福祉施設」とも呼ばれます。
※定員が29名以下の施設は「地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)」といいます。
在宅での介護が困難な入居者様に対し、食事や入浴などの日常的な活動を含んだ介護全般や、機能訓練、療養上の世話などを実施します。
主な設置主体は、地方公共団体や社会福祉法人です。
老健(介護老人保健施設)
老健は、要介護高齢者が基本的に自宅での生活を可能にするための施設です。
看護、医学的管理の下における介護および機能訓練やリハビリなどを集中して行い、在宅復帰を目指します。
主な設置主体は、地方公共団体や医療法人です。
入居期間の違い
特養・・・「終の住処」として終身利用が可能(無期限)
老健・・・終身利用はできない(おおむね3カ月を目安にリハビリを行う)
特養の場合は終身利用が可能なので長年暮らす方も多く、終生入居することも可能です。
※ただし特養でケアできる医療範囲を超えた場合は、病院へ入院となる場合があります。
特養は特に緊急度の高い方の入居が優先されるため、なかなか入居できないというデメリットがあります。
老健の場合、3か月ごとに在宅復帰ができる状態か判定し、回復度合いによっては自宅へ戻るか、他の介護保険施設へと移管するかを求められることになります。
居室の種類
特養・老健ともに居室の種類は以下の4種類があります。
- ●多床室・・・定員2名以上など、複数のご入居者で一つの居室を利用
- ●従来型個室・・・一人で一つの居室を利用
- ●ユニット型個室・・・一室を一人のご入所者が利用。個室の壁が天井まであり、完全に仕切られている。共同スペースを共有し、共同生活をする
- ●ユニット型個室的多床室・・・一室を一人のご入所者が利用するが、個室の壁は天井までなく、すき間がある。共同スペースを共有し、共同生活をする
居室によって介護サービスを提供するために必要な人員・設備などに違いがあります。
施設を選ぶ際は、できるだけ希望する施設を見学することをおすすめします。
こちらのコラムもあわせてご参考ください。
老人ホームは見学してから申込もう!チェックするポイントもご紹介
老人ホームの上手な選び方は?探し方のポイントや施設の種類を知ろう
費用面
特養と老健は公的施設になるため、有料の老人ホームと比べると「入居一時金などの初期費用が不要」といった違いがあります。
費用は安くなりますが、要介護認定を受けていることが条件です。
特養と老健を利用する際は「施設サービス費」がかかります。
施設のサービス費用は、施設の形態、居室の種類、職員の配置などによって異なります。
また特養と老健どちらの施設も、施設サービス費の他に、居住費・食費・日常生活費などがかかることを知っておきましょう。
特養と老健は、どちらの施設も月額費用のみで費用が抑えられる反面、介護付き有料老人ホームのように個室環境が整っていない場合があります。
特養と老健の入居条件は?
特養と老健の入居条件をそれぞれご紹介します。
「特養」の入居条件
特養は2015年に入居基準が変わり、65歳以上の高齢者でかつ、原則「要介護度3以上」の認定を受けている方であることが入居の条件となりました。
そのため特養は「日常的に介護が必要で、自宅で生活するのが困難な方」が入居の対象です。
これにより認知症などで在宅での介護が困難な方を優先し、施設で介護をすることになります。
特養は終生入居が可能なので、比較的ご入居者様の回転が緩やかで、入居待ちの時間が長くなる場合があります。
そのような場合は、介護付き有料老人ホームとも十分比較検討してみましょう。
ライフピアのコラムでは、「特養」と「有料老人ホーム」の違いや選び方についても詳しく説明しています。
「特別養護老人ホーム(特養)と有料老人ホームの違いと選び方とは?」も合わせてご参考ください。
「老健」の入居条件
老健の入居条件や特徴は、特養との明らかな違いとも密接に関わっています。
老健の場合も、要介護認定を受けていることが前提となりますので、入居申込の前に要介護認定を受けている必要があります。
老健は、要介護度1から入居が可能です。
自宅での生活へと戻ることが基本ですので、入院加療中の人や要支援1・2の人は入居できません。
老健を退去後も、通所リハビリテーションを継続して受けることが可能な施設もあります。
そのため、医療機関と介護施設の中間と位置付けられることもあります。
なお、老健についてはこちらでも詳しくご紹介しています。ご参考ください。
介護老人保健施設(老健)とは?具体的な特色や利用者の状況を解説
特養と老健どちらを選ぶ?事前に知っておくべきこと
特養と老健のいずれの施設も、うまく付き合うことでご家族の負担も減り、入居者様のQOL(生活の質)向上にもつながります。
それぞれの違いを知り、メリット、デメリットを踏まえたうえで入居を希望することが大切です。
また現在は高齢化社会が加速し、介護を必要とする高齢者が増加していることを知っておかなければなりません。
特養の入居待ちの高齢者が老健を入所待機所として利用し、老健から老健を渡り歩く現状が問題視されるなど、介護施設が不足していることもあります。
介護が必要になる前から、近隣の介護施設や介護サービスの状況などの情報を収集しておきましょう。
「介護施設は不足傾向?介護難民にならないために知っておきたいこと」もあわせてご覧ください。
特養と老健の入居期間などの違いを知り、比較検討してみましょう
特養(特別養護老人ホーム)と老健(介護老人保健施設)は「公的施設」に分類され、地方公共団体、社会福祉法人などが運営する介護施設です。
特養と老健の大きな違いは「施設の運営・サービス内容」「入居期間」「入居条件」にあります。
特養は、終生入居が可能な介護施設。要介護度3以上が入居条件です。
老健は、自宅に戻るためのリハビリを中心とした介護施設になります。
特養と老健、どちらも費用面が比較的抑えられますが、入居待ちの現状もあるので介護付き有料老人ホームとも十分比較検討してみることが大切です。
京都の介護付き有料老人ホーム ライフピア八瀬大原Ⅰ番館は、ご見学も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事を監修した人
- 星野 英俊 (ライフピア八瀬大原Ⅰ番館 事務長)
- 京都大原記念病院グループに介護職として新卒入職。京都大原記念病院 現場介護スタッフ、介護老人保健施設で施設相談員(ケアマネジャー)などとして約15年間、現場業務に従事。
事務職 転身後、ライフピア八瀬大原Ⅰ番館の事務長に就任し、
現在に至る。