老人ホームなど介護施設に親が入居することへの罪悪感と向き合うために
こんにちは、介護付き有料老人ホーム「ライフピア八瀬大原Ⅰ番館」です!
親などのご家族が老人ホームなどの介護施設に入居することに対して、罪悪感を覚えてしまう方も多くいらっしゃいます。
今回は、老人ホームなどの介護施設に入居される際に、ご家族が抱いてしまう「罪悪感」についてのお話です。
私たちライフピア八瀬大原Ⅰ番館がまさに介護の現場で感じている経験も踏まえ、罪悪感を抱いてしまった場合の心の切り替え方や、罪悪感を軽減する考え方をご紹介します。
親の老人ホーム入居に「罪悪感」を抱く理由は?在宅介護の場合もご紹介
ご家族が老人ホームなどの介護施設に入居することに対して、罪悪感に苛(さいな)まれる人は少なくありません。
ご家族として「長く一緒に暮らしてきた親を他人に任せていいのか」という思いや、「1人で施設にいる時間は孤独ではないのか」などの不安が罪悪感につながりやすいです。
他にも、老人ホームなどの介護施設への入居が決まった後や施設へ送り出す際の寂しそうな表情に心を痛めるケースがあります。
人格形成の進んだ大人の場合、見ず知らずの環境に馴染むためには苦労を伴うため、拒否反応を示すことも。
そのため、「辛い思いまでさせて、親の介護を施設任せにしてもよいのか」という考えを持つご家族もいらっしゃいます。
親のことを想うご家族ほど、罪悪感を抱きやすいものです。
在宅介護の場合は「介護される側」が罪悪感を抱く場合も
老人ホームなどの介護施設に親や兄弟、親戚の介護を任せるといった「ご家族側の罪悪感」についてお話しましたが、同じ家に住んでいる家族(子)が親を介護する「在宅介護」の場合はどうでしょうか。
在宅介護では逆に、介護される親のほうが「家族(子)に介護をしてもらうことへの罪悪感」を抱いてしまう場合があります。
特に、認知機能が低下する認知症などの症状はないものの、ケガや病気の後遺症から介護を受けなければならないという場合は注意が必要です。
「元気だったときには当たり前にできていたことができない」といったストレスも相まって、ケンカに発展したり、自室に閉じこもってしまうことも珍しくありません。
素直になれず言葉では伝えられないだけで、親(介護される側)も罪悪感に苛まれている場合が多く、肩身の狭い思いや辛い思いをしていることも。
このような在宅介護の問題の打開策として、デイサービスや訪問介護の利用、老人ホームなど介護施設への入居があります。
在宅介護のことで悩みがある場合は、ご家族だけで抱え込まずに、お住まいの自治体や医療機関の相談室、地域包括支援センターなどに相談してみることをおすすめします。
介護保険制度を活用してお互いにとって生活しやすい環境づくりを
介護保険制度とは、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みのことです。
介護保険制度の被保険者である65歳以上の方(第1号被保険者)の場合、要支援・要介護状態となったときに、介護保険サービスを受けることができます。
※40~64歳の方(第2号被保険者)も、末期がんや関節リウマチなどの病気が原因で要支援・要介護状態になった場合に介護保険サービスを受けられます。
介護保険サービスには、下記の2種類があります。
- ・老人ホームなどの介護施設に入居してサービスを受ける「施設系・居住系サービス」
- ・自宅にいながら介護保険サービスを受ける「在宅系サービス」
介護保険サービスを利用する場合には、介護認定を受ける必要があります。
下記のコラムもあわせてご覧ください。
有料老人ホームで介護保険適用になる範囲は?手続きや費用も解説!
介護保険が適用される特定疾病とは?対象となる16種類をご紹介
介護保険制度の介護保険サービスをうまく活用し、「親(介護される側)と子(介護する側)が生活しやすい環境」を目指しましょう。
きっと双方の罪悪感が軽減されていくはずです。
ちなみに、老人ホームなどの介護施設には様々な種類があります。
- ・特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
- ・介護老人保健施設(老健)
- ・養護老人ホーム
- ・ケアハウス(軽費老人ホーム)
- ・住宅型有料老人ホーム
- ・介護付き有料老人ホーム
- ・健康型有料老人ホーム
- ・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- ・グループホーム
入居条件(年齢、介護度など)、サービスの内容は施設によって異なりますので、ご家族やご自分の希望する条件にあわせて選びましょう。
「老人ホームの上手な選び方は?探し方のポイントや施設の種類を知ろう」も、あわせてご覧ください。
親の老人ホーム入居に罪悪感を抱いた場合の心の切り替え方
親の老人ホーム(介護施設)の入居が決まり、ほっと肩の荷をなでおろしても、「私の力量不足だった」「もう少しこうしてあげられたら」などと罪悪感を抱きながら生活してしまう日もあるでしょう。
そんな時は、ご家族全員のライフスタイルを大切にすることに気持ちを切り替えてみましょう。
在宅介護は、介護をするご家族の心身ともに大きな負担がかかるものです。
身体機能の低下による介護はもちろんのこと、認知機能の障害や認知症を併発している高齢者の在宅介護は、第三者による介護がなければ日常生活を送れない場合があります。
親(被介護者)の体調などによりご家族がお仕事を休む、介護しやすい職業へ転職、もしくは介護離職で収入が減ることなどがあれば、身体的・精神的だけでなく、経済的にも負担になってしまいます。
また、ご家族の方が介護中心の生活に疲弊し、介護疲れを引き起こす場合も。
介護疲れが限界を超えてしまうと、介護を原因とするうつ病である「介護うつ」を発症することも珍しくありません。
ご家族全員の生活が崩れてしまっては、お互いの幸せな生活は叶いません。
老人ホームなどの介護施設に入居することは、ご入居者本人とご家族の生活を守るという意味もあります。
お互いの心地よい生活のための最善の選択として入居した後は、お互いが笑顔で居られることに力を注いでいきましょう。
また、入居後「親を老人ホーム(介護施設)へ預けた」という罪悪感から、なかなか面会に来られなくなるご家族もいらっしゃいます。
ですが、「なるべく足を運び、面会を増やす」ことが大切です。
新型コロナウイルス対策により、以前よりは気軽に面会をしづらい施設も多いかと思いますが、施設の案内に沿って面会へ行ってくださいね。
ご家族の面会は、ご入居者の活力になります。
お互いの近況報告を定期的に行うことで、ご入居者が「ご家族とのつながり」を感じることができるのです。
どんなに認知症の症状が進んだとしても、ご家族の顔を見ると、自然と笑顔になるご入居者は少なくありません。
老人ホームのスタッフでは引き出せない笑顔を見ると、「面会の重要さ」を感じずにはいられません。
また、定期的に施設での様子を見ることで、ご家族も安心して施設での生活をスタッフにお任せできるようになります。
寂しい、不安といった感情を抱いているのはご入居者も一緒ですので、できるだけ会いに行き、離れた時間を埋めていくことがご家族とご入居者の双方にとって大切です。
罪悪感という感情を抱くことはきわめて自然なことで、多くのご家族・ご入居者が罪悪感を抱いています。
だからこそ「互いの今後の幸せを願った入居」だということを忘れないで、面会に足を運ぶようにしましょう。
面会の頻度については、下記のコラムもあわせてご確認ください。
老人ホームへ家族が面会に行く頻度は?メリットや注意点もご紹介
介護付き有料老人ホーム「ライフピア八瀬大原Ⅰ番館」の考え
実際に老人ホーム入居の面談の際に「本当は私が見るべきなのに」「かわいそうな思いをさせるけれども」といった声をご家族からお聞きすることもあります。
ご家族だけでなくご入居者も新しい環境に飛び込むわけですから、不安を抱えてご入居されることは確かにあります。
しかし、ライフピア八瀬Ⅰ番館のスタッフ全員が、ご家族やご入居者の罪悪感や不安な気持ちを理解したうえで介護にあたっていますので、ご安心ください。
特にご入居者に対しては、身体面・精神面ともに安心して過ごしていただけるよう、日々全力で支援をいたします。
ご家族の皆様には、ご入居者との面会で関わりを持つことで「笑顔が増えた」「よく話すようになった」といった、日々変化していくご入居者の表情をぜひ見に来てくださいとお伝えしています。
ご入居者の変化を実際に目にしていただくことで、「入居を選択したことがご本人とご家族にとって良い選択であった」と思っていただく。
その積み重ねが、ご入居時に感じていたご家族の罪悪感を軽減することにつながるのではないかと考えています。
親の老人ホーム入居に罪悪感抱くのは自然なこと!家族で最善の選択を
親が老人ホームなどの介護施設に入居することに対して、「罪悪感」という感情を抱くことはきわめて自然なことです。
在宅介護の場合は逆に、介護される親側が「家族(子)に介護をしてもらうことへの罪悪感」を抱いてしまう場合もあります。
罪悪感を抱いてしまう場合は、「ご家族全員のライフスタイルを大切にすること」に気持ちを切り替えてみましょう。
在宅介護で介護中心の生活に疲弊し、介護疲れからうつ病(介護うつ)を発症してしまったり、ご家族全員の生活が崩れてしまったりすると、お互いの幸せな生活は叶いません。
在宅介護の問題の状況の打開策として、デイサービスや訪問介護の利用、老人ホームなどの介護施設への入居があります。
親(介護される側)と子(介護する側)の双方が生活しやすい環境を目指しましょう。
そして、老人ホームご入居後も定期的に面会に足を運ぶことが、ご家族の罪悪感を軽減することにつながります。
ライフピア八瀬大原Ⅰ番館のコラムでは、高齢者の安心な暮らしや住まいに役立つお役立ち情報を随時発信しております。
お悩みや疑問があれば、ぜひ他のコラムもご覧ください!
この記事を監修した人
- 佐藤 晋策 (ライフピア八瀬大原Ⅰ番館 現場責任者)
- 京都大原記念病院グループに介護職として入職。デイサービスで現場介護スタッフ、相談員などとして約7年間、現場業務に従事。
事務職 転身後、ライフピア八瀬大原Ⅰ番館の現場責任者に就任し、現在に至る。